最近いつも腹八分を心がけ、たまには断食もする自分ではあるが、なぜか回転寿司の店に入ると自制が効かなくなる。
まず店に入った途端に目の前の新鮮なネタの寿司に目を奪われる。
そして「さぁ、食べてみろ」、「どんどん喰え」と言わんばかりに次から次へと流れてくる皿を見ていると、どれもが旨そうに見えてくるから始末が悪い。
元来好き嫌いが無い性分なので、あれもこれも色々たくさんの種類の寿司を食ってみたくなる。
そしてさらに具合の悪い事に、最初の一皿を食べたとたんに目の色が変わり、人格も代わってしまう。
もちろん、本当に人格が変わるわけではないのだが、我を忘れた状態とはこのような状態の事を言うのだろう。
自分でも、今頭の中で何か別のスイッチが入ったなと自覚はするものの、一旦そのスイッチが入ってしまうと、目の前の誘惑にもう歯止めが利かなくなり、猛烈な勢いで寿司を喰らってしまう。
この状態になると自分が食うだけでなく、人にもどんどん寿司を勧めたくなる。
一緒に寿司を食っている連れにも、頼まれもしないのにどんどん皿を取って「さあ、喰え」「どんどん喰え」と勧めてしまう。
この状態は自分でもまるで「餓鬼畜生」のような状態だと思う。
それはおそらく、終戦後常に空腹で飢餓状態だった体験がフラッシュバックするからではないかと思っている。
私の幼少時は物資が無く、毎日の食事も満足にできない状態だった。
だから食事の時間は常に、兄弟や親戚との戦いだった。
なんでも早い者勝ち。
モタモタしていると食いっ逸れてしまう。
そんな環境で育ったせいで、今でもついつい早食いしてしまう。
頭の中のどこかで「早く取らなくては無くなってしまう。早く!早く!」と焦っている自分がいる。
気がつくと無意識のうちに、あっという間に10皿は平らげている。
私がいつも行く回転寿司はシャリが多めだ。
10皿も食うと腹が一杯になる。
腹が一杯になってようやく人心地ついたころで、ふと我に返る。
食った寿司は旨かった。
満足だ。
しかし直後に後悔する。
なぜなら満足感は一瞬で、すぐに食い過ぎのせいで腹が苦しく、気持ち悪くなるからだ。
腹の苦しさで後悔するが、後悔先に立たずだ。
一旦食った寿司を吐き出すわけにもいかず、はちきれんばかりの腹をなでさすっては後悔する。
私の腹では6皿位が腹八分目でちょうど良いのだろう。
そこで毎度、「次からは6皿で終いにしよう。」と心に誓う。
しかし、次の機会に回転寿司に入るときには大抵空腹だ。
この空腹の時にあの回転する寿司を見ると、また魔の食欲のスイッチが入ってしまう。
そして頭の中の、仮想の早食い競争の世界へと連れ戻されてしまう。
どうすればこの魔の連鎖から逃れられるのか。
いつも店に入る前には、「今日はタコとイカとハマチとマグロと云々…」とその日食べる計画を考える。
しかしこれも、上手くいった試しが無い。
その後はお決まりの腹の苦しさと、自制が効かない情けなさとに苛まれる。
なんと浅はかな自分だろう。
私も若い頃には勢いに任せてたらふく食い、大きな腹を突き出して、意気揚々と腰を振りながら帰ったものだ。
しかし今はもうダメだ。
自分で体の限界を知っている。
そして食い過ぎがいかに害かも知っている。
食い過ぎは、百害あって一利無しだ。
自制が効かないために食い過ぎて、おかげで生活習慣病に罹り、病院の世話になっていてはどうしようもない。
例えば糖質を採りすぎる事によって血糖値は上がり、尿酸値も上がり、コレステロール値まで上がってくる。
上がるのが売り上げなら大歓迎だが、これは困ったものだ。
さて、どうしたものか。
どうすればこの魔の食欲に対抗できるのか、誰か教えてほしい。
そう思っていたら、こんなアイディアを教えてもらった。
私と同じように自制の効かない、しかし生活習慣病予備軍でイエローカードが出ているような方は、一緒に試してみてはどうだろう。
まずは、私もやってみようと思う。
<魔の食欲と戦う方法>
1)定期的に断食をする
断食をすることによって、暴走していた食欲が一旦リセットされる。
2)回転寿しをやめて高級寿司店で一皿ずつ有り難く食う。
3)普段から糖質を控えた食事を採る。
血糖値が極端に上がったり下がったりしないように、単糖類を避ける。
4)小麦を控える。
小麦は中毒性があるらしい。
5)一口ごとに箸を置いて食べる。
食卓では箸置きを必ず使用する。
6)食べる順番は、生野菜や果物から先に食べる
生野菜&果物→タンパク質→炭水化物の順に食べると良いらしい。
7)食べ放題の店には行かない
元を取ろうとする貧乏根性が過ちのもと。